【Doom: The Dark Ages】レビュー「鉄と血が支配する新たなスレイヤーの伝説」

中世の闇に降臨したスレイヤー

長年のファンにとって、Doom: The Dark Agesは単なる新作ではありません。新たなテクノ中世の世界観に包まれたこの作品は、シリーズの伝統を踏襲しながらも、大胆な変化をもたらす作品です。ドゥームスレイヤーは毛皮のケープや鋲付きの鎧、そして象徴的な新武器「シールドソー」を装備し、より頑丈な肉体と共に新たな闘いに挑みます。

変貌した戦闘スタイル ― ハックアンドスラッシュの融合

本作の特徴のひとつが、従来のスピーディなガンアクションとは異なる、戦略性と重厚感を持った新しい戦闘システムです。パリー、近接コンボ、シールドを活用したディフェンシブなプレイが中心となり、よりスローペースながら緊張感のあるバトルが展開されます。

特に印象的なのは以下の武器たちです:

  • スカルクラッシャー / パルベライザー:敵に骨片を撃ち出す重厚な武器
  • チェーンショット:鉄球と鎖を発射・回収する破壊兵器
  • インペイラー:原始的なボルトを射出する、野蛮さと洗練の融合
  • ドレッドメイス:地鳴りのような衝撃で鎧ごと砕く鉄メイス

これらはまさにゴアフェストと呼ぶにふさわしい、血塗られた舞台にふさわしい凶器たちです。

世界観と演出 ― 精緻な建築とゴシックな雰囲気

ゴシック様式の大聖堂や、血に染まった要塞、轟音を響かせる地下ダンジョンなど、環境デザインも秀逸。暗黒のファンタジー世界が余すことなく描かれ、探索の没入感を高めています。秘密の収集品やレベルの奥深さも魅力的で、従来のDoomとは違うワクワクが待っています。

ストーリーテリングと音楽 ― シリーズの核を繋ぐ

これまであまり語られてこなかったドゥームスレイヤーの起源や、ナイト・センチネルとの絆も描かれ、シリーズを新たな視点で捉え直すことができます。カットシーンや演出も豊富で、世界観への没入度が一段と高まりました。

Finishing Moveによるメタルサウンドは、ミック・ゴードンの後を継ぐ形で完璧に戦闘とシンクロ。重厚でアグレッシブな音楽は、プレイヤーのアドレナリンを加速させます。

惜しい部分 ― 新しさゆえの賛否

もちろん、すべてが完璧ではありません。PC版のローンチではクラッシュやパフォーマンスの不安定さが報告されており、改善の余地があります。さらに、近接戦重視の戦闘スタイルが好みに合わないという意見もあり、『Doom Eternal』の爽快なテンポを期待すると、ややもどかしく感じられるかもしれません。

また、トレーラーで注目を集めたメカやドラゴンのシーンは、演出面では素晴らしい一方で、操作性や緊張感に欠けるという声も。これらはシネマティックな魅力はあるものの、プレイ体験としては物足りないと感じる方もいました。

総評 ― 進化か、回帰か。その答えはあなたの中に。

Doom: The Dark Agesは、単なるシリーズの続編ではありません。FPSとハックアンドスラッシュを融合し、新たなスレイヤー像を提示する、実験的かつ挑戦的な作品です。プレイスタイルや好みによって評価は分かれるかもしれませんが、いずれにせよ、一度は体験すべき新章であることに違いはありません。

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